Columnコラム

生けこみを通して自分の想いと対峙する

2021年8月27日

入学式や卒業式などの式典における大作の生けこみはとても難しい。

花瓶口が胸元から喉元くらいの高さで作品全体の高さは3m位にもなる。お水が20ℓのバケツに5杯は入る。難しいからといって 作品から逃げる訳にはいかない。

夫である権藤華泉に「生けて」とお願いするのは簡単だが、京都のお家元(池坊 師範学校)にて出逢った頃と同じ様に、華道家として対等でありたいなら私も日々・一作品一作品努力をし緊張の汗を かきまくらなければならない。

上手に生けられるかしら…なんて不安を吹き飛ばし『 私は本気の本気で あなた達と向き合い一生懸命に頑張って生けますからどうぞ宜しくお願いします』という気持ちでお花達と対峙する。

決して集中力を切らしたり、たじろいだり、上手に出来るかしら…等と不安を抱いてはならない。折れない心で 大作創りへ臨むのです。

自分自身が技術者である限り、技術向上の為の努力と勉強を積み重ねていくことがとても大切なのだと強く再認識した生けこみとなったのでした。

この記事を書いた人

権藤 愛

華道家元池坊師範学校中央研修学院卒。 ホテルシーホークにて、ウエディングをはじめとした、様々な空間装花を担当した後、現職。鮮やかな色使い、多彩な切り口を用いた、意匠的な作品を得意とする。 趣味は海へドライブ、歌を歌うこと。